65. ③「重要な意味」を持っているのは何か。
A. 台所の物音
B. 看護
C. 子供の病気
D. 居眠り
64. ②「馬耳東風」とはどういう意味だと思われるか。
A. 必要と感じること
B. 聞こえても気にしないこと
C. はっきりすること
D. 分け隔てなく聞くこと
騒音のうるさい電車などの中でも会話ができる。うるさいとは思うけど、相手の言うことはなんとか聞き取っている。聞き取れぬ部分は見当をつける注1。しかし、テープレコーダーでのそれを録音してみると、会話はほとんど聞き取れないことに驚くのである。この差は人間の耳と機械の耳の相違による。人間の耳は自分の欲する声音を選び出し、それを増幅してキャッチし、欠損部は、補充する。①それに対して、機械は音声も騒音も分け隔てしないで公平に記録してしまう。これによっても、人間の耳はあるがままのものを聞くのではなく、必要と感ずるものだけを聞く器官であることがはっきりする。必要がないと思えば、②馬耳東風、聞けども聞こえずになる。何日も病気の子供の看病をしている母親があるとする。看病の疲れでまどろみ注2がちになるだろう。うとうと注3している時、台所で物の落ちる大きな音がしても、彼女はまるで反応を示さず居眠りを続ける。ところがそのあと、病児がかすかな声を出すと、母親はとたんに目を開く。この母親には、台所の物音などはどうでもよいが、病児のちょっとした変化でも③重要な意味をもっていて居眠りをしながらも子供には注意が向けられているのである。このように、人間の認識は外界の刺激のあるがままに忠実に反応して得られるものではない。われわれが理解したと思っているのは、対象のコピーではなく、あらかじめもっている感心によって選択された情報によってつくられたものである。忠実な録音テープと比較すれば、人間の理解はある意味で一種の誤解であることがはっきりするはずである。 (注1)見当をつける:いろいろな材料によって、たぶんこうだろうと判断すること。(注2)まどろみ:短い時間眠ること。(注3)うとうと:ちょっとの間浅く眠るさま。 63. ①「それ」は何をさすか。
A. 電車の騒音
B. 聞き取れない部分
C. 自分の言うこと
D. 電車の中の会話
62.②「大の部分」と「小の部分」はそれぞれ何を指すか。
A. 生活の中の「大きな理想」と「小さな目標」
B. 歴史人物の「偉業」とその人にまつわる「エピソード」
C. コロンブスの「アメリカ大陸発見」と「卵を立てた話」
D. 歴史の「つらいところ」と「おもしろいところ」